雨の朝、トレッキングはお預け。でもそれが正解だった
岩岳のトレッキングを予定していたこの日。
前夜に雨が降り、地面のぬかるみが気になったので、無理はせず明日のお楽しみに変更することに。
せっかくだからどこか行こうと、ふと思いついて向かったのが新潟県糸魚川市。
白馬から車で約1時間で新潟旅行も楽しめることにびっくり!
予定外の新潟旅行となりましたが、この日が、「地球ってすごい」を何度も感じる、想像以上に印象深い1日になりました。
糸魚川−静岡構造線を歩く。フォッサマグナパークの驚き

まず訪れたのは、フォッサマグナパーク。
ここには、日本列島を地質的に“東西に分ける線”——糸魚川−静岡構造線(通称:糸静線)が通っています。
この公園では、なんと約2億7000万年前の岩石(西側)と、1600万年前の岩石(東側)が、目の前でくっついている様子を見られます。
しかも、地層に現れた“枕状溶岩”という岩の模様から、ここが昔は海の底だったことまでわかるのです。
「フォッサマグナ」はラテン語で“大きな溝”という意味ですが、
上空からは見えず、**地質を調べて初めて見えてくる“見えない溝”なのだそう。
このくぼみ、なんと深さ6000メートルほどもあったとされ、
その後、火山活動などで流れ出た火山灰や土砂が積もり、少しずつ埋まっていきました。
実はこの“巨大な落とし穴”の上に、
今の長野・富士山・神奈川・東京などができたと考えられていて、
「今の日本の人口の3分の1が、フォッサマグナ上に住んでいる」
という事実には、思わず息をのみました。
富士山なんて、あの6000mのくぼみの上にそびえてるんだから、
もうそれだけで「地球すごすぎる」って思いますよね😳
タモリさんも訪れた!? 渡辺酒造店と「西の水・東の水」

フォッサマグナパークのすぐ向かいに、趣ある酒蔵が。
ふらりと立ち寄ったのが、男山 渡辺酒造店でした。
ここは、フォッサマグナの境目にある酒蔵として知られていて、タモリさんも「ブラタモリ」で訪れたそうです😊
ここにも“フォッサマグナ”のエピソードが隠れていて、
なんと敷地内にある2つの井戸の水が、それぞれ違う地層から湧き出しているんです。
- 西の水(2億7000万年前の地層):とろっと柔らか、ふんわりまろやか
- 東の水(1600万年前の地層):さらっとすっきりした飲み口
試飲もできたのですが…正直、
「微妙にしか違いがわからなかった(笑)」
でも、まわりのみんなも「なんか違うかも!」「うーん…こっちがまろやか?」と盛り上がっていて、
その時間がとても楽しかったんです。
ちなみに、この蔵の日本酒「男山」は“西の水”を使って造られているそうで、記念に購入してきました🥰
地層から湧く水でできたお酒って、飲むたびに旅の記憶がよみがえりそうです。
おすすめ 渡辺酒造店の根知男山はこちらでも購入可能です。
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フォッサマグナミュージアムで、地球と向き合う

次に訪れたのは、フォッサマグナミュージアム。
ここがまた、静かな衝撃がたくさんある場所でした。
200インチの壁・床一体型スクリーンでは、
日本列島の誕生や地殻変動を、まるで“その場にいるかのような映像”で体感できます。
展示も本気度がすごくて、鉱石、ヒスイ、化石の数々…まさに圧巻。
屋外では、子どもたちが化石発掘体験に夢中になっていて、思わず「私もやりたい…」とつぶやいてしまいました(笑)
「フォッサマグナ」を名づけた、ナウマン博士のこと
ここで出会ったもう一人の主人公が、ナウマン博士。
明治時代、わずか20歳で来日したドイツ人地質学者です。
東京大学の初代地質学教授となり、
なんと約1万kmもの距離を歩いて調査し、日本初の本格的な地質図を完成させました。
まだ等高線すらない時代に、測量と地質調査を同時にこなしていたなんて…
その功績に、思わず心の中で深く一礼したくなりました。
そしてナウマン博士は、日本の地質調査を行った際に、本州中部に見られる大地の陥没帯を発見し、これを「フォッサマグナ」(ラテン語で「大きな溝」)と名付けました。
有名なナウマンゾウの名前も、実は博士に由来しています🦣
ヒスイ海岸で宝探し|しゃがんで夢中になる時間

そして次に立ち寄ったのは、ヒスイ海岸。
運がよければ、なんと本物のヒスイが拾えるという夢のような海岸です。
きれいな石だらけ海岸で
「これ、ヒスイじゃない?」「やっぱりただの石?」なんて言いながら、
童心にかえってしゃがみ込んで夢中になりました。
結果として何がヒスイかは分からなかったけど、
その*探す時間”が何より楽しくて、心が癒されていくのを感じました。
🏔 糸魚川の魅力は、まだまだあって

国道8号線沿いにある能生海岸の「弁天岩」。
これは、かつてフォッサマグナの海底火山の噴火によってできた岩礁なのだそう。
今は糸魚川ジオパークのジオサイトのひとつとして知られ、頂上には灯台があり、能生漁港を出入りする漁船の道標として今も光を放ちつづけています。
岩の中ほどには、海の守り神・厳島神社も。
紅い欄干の曙橋を渡ると、日本海が一望できるその風景は、まさに潮の香とともに記憶に残る美しさでした。
しかもこの日は、鯉のぼりがずらっと泳いでいて、なんとも印象的な光景に。
夕方には、親不知海岸で夕陽を眺めて静かに1日を振り返り…。
お昼ご飯は気づいたら、14時を過ぎていてお寿司さんには入れなかったのですが、地元のスーパーイチコでお寿司を購入。これが安くて本当に美味しかったです。
夕食は地元で人気の「あおい食堂」へ名物の糸魚川ブラック焼きそばも定食も本当に美味しかったです。さすが新潟お米も美味しいです。
☀️ また、ゆっくり訪れたい町
見どころ、自然、美味しいごはん、そして“地球の記憶”。
糸魚川は、知れば知るほど魅力があふれる町でした。
今回は1日の旅だったけれど、次はもっとゆっくり。
潮風と断層とヒスイと、心がととのう時間を探しに、
またきっと、ここに戻ってきたいと思います。
まとめ|大人になっても、ときめきは大切だと思えた日
この旅は、トレッキングの予定変更から始まりました。
だけど、偶然の連続が、まさか3億年の地球の記憶と出会う1日になるなんて。
大人になっても、ワクワクすることや心がときめく時間は、本当に大切なんだな
と改めて感じた、そんな旅でした。
糸魚川の旅、見どころがたくさんあって子どもにも大人にも本当におすすめです。
そしてたまには、「予定外」にまかせてみるのも、いいのかもしれません◎