「なんだか今日は体が重い」「頭がズキズキして、やる気が出ない」
そんな日が、決まって雨の前や季節の変わり目に多いと感じたことはありませんか?
それ、もしかしたら“気象病”かもしれません。
気象病とは、気圧・気温・湿度など天候の変化によって起こる体調不良のこと。
頭痛、めまい、関節痛、倦怠感、気分の落ち込みなど、症状は人によってさまざまです。
私自身、気圧の変化で頭痛やめまい、倦怠感に何年も悩まされてきました。
台風が多いシーズンは頭痛と倦怠感がひどく、本当に憂鬱でした。
これらの不調は、「天気痛」とも呼ばれ、雨や台風が近づくと頭痛がする、めまいがする、古傷が痛むなど、その人がもともと抱えている慢性的な不調が天気によって悪化することを指します。
なぜ天気で体調が崩れるの?|気象病のメカニズムと自律神経の関係
気象病のカギとなるのが、自律神経のバランスです。
気圧が下がると、体は“ストレス”を受けたと感じ、自律神経のうちの「交感神経」が優位になりやすくなります。その結果、血管が収縮したり、筋肉が緊張したりして、頭痛や肩こり、吐き気などの不調が起きるのです。
また、気温の急激な変化や湿度の高さも影響します。特に湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温調節がうまくいかず、だるさや疲労感を感じやすくなります。
こうした外的要因が、自律神経やホルモンバランスを崩し、PMSや更年期障害を悪化させることも。つまり、天気と“こころと身体”は深くつながっているのです。
簡単!気象病のセルフケア5選|今日からできる体調管理術
「雨が降る前に体調が悪くなる」「季節の変わり目に頭が重い」
そんな気象病の症状、実は毎日のセルフケアで和らげることができます。
ここでは、私自身も実践している“やさしく続けられる5つの対策”をご紹介します。
① 幸せホルモン“セロトニン”を増やす朝の習慣
- 朝日を浴びる
- トリプトファン+ビタミンB6を含む朝食をとる
朝のスタートを整えることで、心の安定をもたらすセロトニンの分泌が促され、自律神経も整いやすくなります。
② 耳のくるくるマッサージで内耳ケア
気圧の変化を感じ取る“気圧センサー”は、実は耳の奥・内耳にあります。センサーが敏感に反応しすぎると、自律神経が乱れ、頭痛やめまいの原因に。
耳まわりをやさしくマッサージすることで、内耳の血流が良くなり、不調の予防に役立ちます。

👂🏻耳マッサージのステップ
①耳全体をやさしく引っ張る
耳たぶや耳の上部を軽く伸ばすようにして血流アップ
②耳を前後にくるくる回す
小さな円を描くように回すとリラックス効果も◎
③耳の後ろ・こめかみ・内耳をやさしく押す
③ しっかり汗をかく習慣をつける
湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体温調節が難しくなり、自律神経のバランスが崩れる原因となります。
また、普段から汗をかきにくい身体は、気象変化による体温調節のストレスに弱いため、気象病になりやすいと考えられています。
サウナ、ホットヨガ、ぬるめの入浴などで「じんわり汗をかく習慣」を意識すると、体温調節機能が向上し、気象病の予防につながります。
④ ツボ押しで内側から整える
東洋医学の知恵を取り入れて、不調のケアをセルフで。
気象病におすすめのツボは以下のとおりです

① 風池(ふうち)|頭痛・肩こりに
場所:髪の生え際、耳の後ろにある出っぱった骨から少し中央に寄ったところ、凹んでいて、触れたとき指が沈むところにあります。
期待できる効果:頭痛、めまい、肩こりの緩和
押し方:両手の親指をツボに当て、後頭部を包むように支えながら、5〜10秒間軽く押す。これを3回繰り返すと効果的。

② 合谷(ごうこく)|緊張やストレスをゆるめる
場所:手の甲、親指と人差し指の骨が交差するあたりのくぼみ
期待できる効果:頭痛、イライラ、ストレス緩和
押し方:反対の手の親指でじんわり押し、円を描くように揉む。左右それぞれ1〜2分ずつ。

③ 内関(ないかん)|自律神経を整えたいときに
場所:手首の内側、横ジワから指3本分下の中央
期待できる効果:不安感、動悸、吐き気、自律神経の乱れに
押し方:親指でツボを軽く押し、ゆっくりと小さな円を描くように刺激。片手につき30秒〜1分程度。

④ 足三里(あしさんり)|だるさや疲れを感じたら
場所:膝のお皿の外側、下から指4本分ほど下がったあたりのくぼみ
期待できる効果:胃腸の調子を整える、全身の疲れを和らげる
押し方:親指や中指でツボを押しながら、円を描くようにやさしくマッサージ。片足1〜2分が目安です。
⑤ 気象病予報アプリを活用する|“来る前に備える”新習慣
気象病の症状が出やすいタイミングを事前に知っておくことで、セルフケアを前もって取り入れることができます。
おすすめのアプリはこちら:
- ウェザーニュース「天気痛予報」
気圧の変化による影響度を予測し、「警戒レベル」を表示してくれる機能つき。
症状が出やすい日には早めに対策を! - 頭痛ーる(ずつーる)
頭痛・めまい・倦怠感などに関連する気圧変化を“見える化”。かわいいイラストで分かりやすく、通知機能も便利です。
体調が悪くなってから慌てるのではなく、「今日は気圧が下がりそうだからゆっくり過ごそう」と、心と体の準備ができるようになりますよ。
▶ 気象の変化を先読みウェザーニュース【天気痛予報】はこちら
季節ごとの注意点と対策|春・梅雨・秋・冬、それぞれの乗り越え方
- 🌸 春:花粉+気温差 → 入浴・睡眠で整える
- ☔ 梅雨:湿度・低気圧 → 汗をかく
- 🍂 秋:寒暖差 → 服装調整+温活
- ❄️ 冬:冷え・乾燥 → 温かい食事と運動
私を助けてくれた漢方
私がひどい頭痛とめまいでずっと悩んでいました。
そんなときに出会ったのが、市販の「テイラック」という漢方薬。
劇的とは言えないまでも、少しだけ症状が和らぎ、
「もしかしたら私には漢方が合っているのかも…」と感じたのを覚えています。
その後、どうにか改善の糸口を見つけたくて、私は漢方内科を受診することにしました。
特に効果を感じたのが、五苓散(ごれいさん)と呉茱萸湯(ごしゅゆとう)の2つの処方薬でした。
五苓散は、体内の「水の巡り」を整えてくれる薬で、むくみや頭の重さが軽くなった感覚がありました。
一方、呉茱萸湯は、冷えや吐き気を伴う頭痛がひどかった時に処方されました。
服用した翌朝には頭痛がスッと引き、「これは効いたかも」と思ったことを今でも覚えています。
ただ、呉茱萸湯の味は…なかなか独特で。
先生も「これ、味が苦手な人も多いんですよ」と苦笑いされていましたが、実際その通りで、口に広がる苦味に「漢方ってこういうものなんだ」と実感しました(笑)。
現在も、漢方内科での診察を継続しています。
毎回「舌・お腹・脈・皮膚・むくみ」などを丁寧に診ていただき、その時の体調に合わせて処方を調整してもらっています。
実際、同じ漢方薬でも、そのときの身体の状態によって効く・効かないがあるそうです。
だからこそ、「この漢方が効いたよ!」と誰かにすすめたくても、それがその人にも合うとは限らない。
それが漢方の難しさでもあり、面白さでもあると感じています。
たとえば、以前婦人科で処方された加味逍遙散(かみしょうようさん)は、私にはまったく効果がありませんでした。
でも、漢方内科での治療を続けていたある日、急にイライラが強くなり(風が強いだけでも怒っていた気がします…)、
先生に相談すると、診察の結果「身体の状態が変化している」と言われました。
そして再び処方されたのが、かつて効果がなかった加味逍遙散。
「今のあなたにはきっと合うと思いますよ」と先生に言われ、半信半疑で飲み始めたところ、数日で気持ちが穏やかに戻っていくのを感じました。
体調の変化が心に影響を与えていたんだと、改めて実感した出来事でした。
最近では、漢方を専門にされている内科の先生も増えてきています。
気象病の不調がなかなか改善しないときは、セルフケアと合わせて、
漢方内科を受診してみるのも一つの選択肢かもしれません。
また、特に頭痛がつらい場合は、頭痛外来やペインクリニックの受診もおすすめです。
おすすめアイテムと本の紹介|気象病と上手に付き合うために
- 市販の漢方薬「テイラック」
低気圧による複数の不調に効くお薬です。
![]() | 価格:812円 |

- 参考書籍『天気が悪いと調子が悪いを自分で治す本』
私の愛読書です🥰
![]() | 1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本 [ 佐藤純 ] 価格:1496円 |

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終わりに|“今日は調子が悪い”を責めないで
気象病は、身体だけでなく“こころ”にも影響します。
理由のないイライラや、漠然とした不安感、集中力の低下——それも実は、気圧や湿度のせいかもしれません。
だからこそ、自分を責めず「これは気象の影響かも」と一度立ち止まってみることが大切です。
無理に頑張るより、気圧が落ち着くまで“休む選択”をしてみてくださいね。
気象病と気づかず、心の問題だと思われてメンタルクリニックを紹介されることもあるそうです。
原因不明の体調の不調が続けば、気持ちまで追い込まれてしまいます。
だからこそ、「もしかしたら天気のせいかも」と考えて、まずは体をいたわることが大切です。
季節と上手につきあいながら、無理せず、自分のペースで。
今日もあなたがあなたらしく過ごせますように。